医師が開業するには、まず家族の同意の下、準備を始める必要があります。家族の協力は不可欠です。そして、なぜ開業したいのか、どのようなクリニックを開きたいのかというコンセプトを明確にしておきます。準備を進める中で、医師は様々な決断をしなければなりませんが、コンセプトが判断基準になります。開業には、構想段階も含めて2年程度の準備期間を必要とする場合が多いです。場所の目処が立っている場合は、さらに短い期間での開業が可能です。ただし、現在の仕事を継続しながら準備を進める場合は、休日を使って各種の手続きや申請を行うため、あまりゆとりはありません。余裕をもってできるだけ早く準備を開始することをおすすめします。運転資金として必要な金額は、一般的な内科で2,000万円ほどです。

場所の選定から内装、医療機器の選定まで

①開業地の選定:立地調査、診療圏調査、将来性の予測、不動産交渉MRIのような重さのある医療機器を設置する場合、建物が重さに耐えられるかどうか、また、音や振動、磁場を防ぐシールド工事が許可されるかを確認する必要があります。②事業計画の策定:投資金額の設定、収支の想定、損益計算書やキャッシュフロー表の作成資金計画をたてます。資金面で最も大きなウェイトを占めるのが内装です。③資金調達:調達方法の検討、調達先の選定、金融機関への相談・申込・面談資金計画に併せて必要資金を借入します。④内装計画:建物本体工事との調整、設計・内装業者の選定、保健所への事前確認設計・内装業者の特徴を把握し、施行例を見てから判断したほうがいいです。医院施行経験のない業者は設計で苦労します。⑤医療機器:機器の選定・発注、内装業者との調整、納入スケジュールの調整、操作指導医療機器は、経済耐用年数を勘案してリースか割賦を選択します。電子カルテやCR装置など5~7年程度で買い替えが想定されるものはリース、レントゲン装置など長期で使用するものは割賦、のような選択が好ましいです。

人事関係、宣伝広告、模擬演習まで

①人事労務・求人:人員計画の策定、就業時間・時給等の検討、各種規定の作成、求人広告、面接・採用、雇用契約求人は、新聞折り込みチラシ、求人情報誌、ハローワークなどを利用するのが一般的な方法です。場合によっては人材派遣業者へ依頼します。②宣伝広告:リーフレット・チラシ等の検討、看板・サインの検討、ホームページ作成、SEO対策医療機関の宣伝については医療法による規制があります。広告媒体は限られ、媒体によって表現方法が決められています。一般的な媒体は、新聞折り込みチラシ、ポスティングチラシ、電柱広告、駅看板、ホームページなどです。③会計・税務:会計処理④行政手続:開設届、保健医療機関指定申請、各種公費申請、消防関連保健所に開設届を、社会保険事務局に申請書を提出します。⑤医師会・町内会・老人会などへの挨拶回り⑥内覧会・模擬演習